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前に書いた記事 住民のお話 [雑談]

前の記事に引き続きブログの管理画面をチェックしてたら
アップしたはずの記事が下書き保存状態に。

この記事、武蔵小山のマンション住民のことを書いたやつだった。

それにしても、いつ書いたか忘れたけど
よくこんな長い文章書いたな。。。

===

僕が住んでるマンションは、賃貸の部分は4フロアしかなくて、
しかも1フロアに間取りの違う部屋が3つ入っているタイプで、
さらに1階は1部屋しかないので、合計9世帯しか住んでない。

結構狭いコミュニティだけど、だれも積極的に交流することなく
(マンションの中では)まさに孤独な東京ライフが続いている。


顔は何となく見たことある人もいるけど、基本、誰一人知らない。

もう10年弱住んでいるのに、名前もわからないし、顔も思い出せない。
どんどん引っ越して入れ替わっちゃうし。


・・・ただ、つい先日まで、1人だけ
「こいつ、同じマンションの住民だな」と明確に認識できる人がいた。

会うと必ず声を掛けられて、思わず反応すると30分くらいしつこいトークが続く
1人暮らしの推定60代男性だった。(自分の中での通称、「おじさん」。)

その30分トークの8割はおじさんが購入した国産自動車についての自慢話だった。

ちなみにその国産自動車はどちらかと言うと、普通な感じの車だ。
しかもおじさんが買ったのはかなり前なことも知ってる。

でも、毎回、ほとんど自慢内容は同じで、変わるわけでもない。

前に「おじさん、それってこの間聞いた話だよね」と優しいトーンで突っ込んでみたら、
簡単に流された。

で、国産自動車の話は続いた。


こんなのが仕事の現場で交渉相手に出てきたら厳しいな、と思った。


このおじさんはかなりタチが悪く、いつもマンションの入り口にうろうろしてて、
土日などはずーっとマンションの前にいる。

しかも彼の住居はその1階フロアに1つしかないという一部屋であり、
住民への通行チェック・声掛けに余念が無い。


このおじさん、相当しつこいので今まで自分なりに数々の回避テクニックを考えてきた。

・・・が、マンションの出入り口は1つであり、また非常階段を使っても
マンション出入り口の横に出てきてしまうため、マンションを出入りする時には
あたかも空港の検閲のように必ず彼の前を通らねばならず、悩ましい日々が続いていた。

特に、マンションを出る時は強引に歩いていってしまえば問題ないが
(かわいそうだけど、声かけられても軽い会釈で無視して立ち去る)、
マンションに入る時はエレベーターの待ち時間があるため、そこがネックとなる確率が高い。

そして幸運にもエレベーターが早くに降りてきて開いても、
おじさんの「閉まる扉を手で押さえ続けながら話し続ける」という荒技が炸裂することもあった。


おじさんの動きは長年の知見に基づき鉄壁にも見られ、
気を緩めると、他の人がつかまっているとき以外は何らかつかまり、苦痛な時間が始まる。


ただ、そんな厄介なおじさんに対しても、自分が引っ越してきた当時は(よくわからなかったので)
「話し相手がいないんだな、かわいそうだし少し付き合おうかな」などと思って、
かなり長い間話したこともあった。

ただ、おじさんにとっては絶好の獲物が確保されたようで、
それ以降、僕を見ると「にいちゃん、にいちゃん」と近寄ってくるようになった。

おじさんは遠くで歩いている僕のことさえも認識できるようになっていた。


東京が勤務地となって初めての一人暮らしだったので
東京という土地では中途半端な優しさが厳禁であることを身を持って体験させられた。

その優しさ(自分の中ではファースト・カインドネスと呼んでる)の代償は
現在まで10年弱続いてきた。



しかもこのおじさん、自慢トークだけでなく、住民が出したゴミ内容をチェックしていることもあった。

(ちなみに大家さんでもなく、管理会社の人でもなく、ただの一般の住民です。
マジでおまえがチェックするなよ。。。)

で、「にいちゃん、あれは出しちゃダメだよ」と注意されたこともあった。

それは確実に自分が悪かったので「ごめんなさい」をしたものの、
「明らかにゴミ開けて見てるだろ、おまえ!!」と突っ込みたくなった。


まさに、そのマンションの”住民の出入り”から”ゴミの出入り”まで、
全てを監視・統括しているような非常にめんどくさい存在であった。



・・・ただ、そんなおじさんが、先日引っ越してしまった。

いざ引っ越してしまうと、どことなく淋しい気持ちになる自分に気づく。

あれだけ「いかに避けるか」に知恵を絞っていた自分が、
「どこに引っ越したのかなー」などと気になったりする。

おじさんには奥さんがいない(離婚か死別だと思うけどわからない)。

結婚して孫のいる息子?がいるようだけど、自分が住んでいる10年弱、
全然おじさんのところに遊びに来ることはなかった。

本当に年に1回とかそういう感じだった。
家族の絆は明らかに無い感じだった。


そんな家族状況だから、おじさんが行くあてがあるのかわからない。
住んでるマンションのレベルやおじさんのトーク内容、風貌から、おじさんが
お金に余裕がある人では無いことはわかる。

敢えてここでは書かないが、僕はおじさんの職業も知っていて、
その職業の内容からもお金はあまり持っていないことがわかっていた。


そんなことを考えれば考えるほど
「大丈夫かな、元気にやってるのかなー」などとも心配になる。



それと、おじさんがいなくなり、マンションの中でもう1つ変化があった。

それは、住民が郵便受けに入っている余計なチラシを(郵便受けの上に)
ばさっと置き捨てるのだが、おじさんがいた時にはいつもそのチラシが綺麗になくなっていた。

おじさんがきちんと捨ててくれていたのだ。

・・・・が、今は荒れ放題だ。


しかも、1階のエレベーターホールの電球がもう1ヶ月以上切れたままになってる。
切れて暗いのに、誰も管理会社にも大家さんにも言わない。

深夜残業して遅くに家に帰ると、当然だがマンションの1階が非常に暗く
オートロックとかも無いような古いマンションだから若干廃墟っぽい感じもした。


おじさん以外、そういうことに関心を向ける住民が極めて少なかったのだ。
(おじさんがやってくれるからいいやって思ってた感じ。)




今はおじさんが住んでいた1階の部屋は、誰か他の人が入ってる。

でも、やっぱり他の住民と同じく、1回も見たことがない。


おじさんの特別感が日々アップしている今日頃ごろです。


どうしてるかな~、おじさん。

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